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J-WAVE 2002年4月3日『いまさら聞けないビジネスマナー(3)正しいマナーと良いマナー』

1つのテーマを1週間、毎日違った角度から考えるEARTH NOWのコーナーです。今週は「今さら聞けないビジネスマナー」をお送りしています。ビジネスの世界に限らずある程度のマナーは知っておきたいところです。僕自身はいわばフリーで仕事をしています、というよりこのスタジオの中と外で働いているほとんどみんながフリーの立場です。フリーだからこそ企業に所属しているビジネスマンの皆さんとは、しっかりと礼儀をもってお付き合いをしたいなというところですよね、ハイ。皆さんと一緒に勉強していきましょう。

今回お話をうかがったのは、ビジネスマナーのセミナーでも活躍中で、『職場に居場所はありますか』という本の著者でもある、株式会社近藤教育企画、代表取締役の近藤成子さんです。昨日火曜日は、「ビジネスマナーはなぜ大切なのか」についてうかがいました。今日、水曜日は、「正しいマナーと良いマナー」というテーマでお話をうかがっていますよ。

「正しいマナーと良いマナー」というのがある、そういうことを聞いたことがあります。正しいとされるマナー、つまりマナーブックに載っているような、または常識といわれるようなマナーのことです。それが正しいと思って一生懸命覚えようとする時期がありますね、もちろんそれはいいことだとは思います。ただ、マニュアルどおりとか常識どおりというのがすべてよいかというと、そうでない場合もあります。もしかしたらタブーとされることを言ってしまったり、やってしまったりということがあっても、それでも良いマナーとされることがあります。

例えば、ちょっと古くなりますけれども、ペリーが黒船で来たという時代の話です。日本の政府高官が、船長さんに招かれて船で洋食コースをごちそうになることになった。そのとき高官はテーブルマナーというものをまだ知りませんので、スープが出てきたら一気に飲んでしまった。お付きの人はびっくりしたわけですね、どうしたらいいんだろう、と。ところが、ホスト役だった船長さんが、ニッコリして同じようにスープを一気に飲んだ。船長さんはスプーンでひとさじずつ口に運ぶというマナーはもちろん知っていたわけですけれども、日本の政府高官、つまりテーブルマナーを知らない人が、おいしそうに飲み干す姿を見て自分も一気に飲んだ。これはテーブルマナーとしてはよくない。しかし、今の状況だったらば、ベストのマナーじゃないでしょうか。ですから、ナイフとフォークで食べる所でもお箸が使いたい方にはお箸を勧めるというのが、最上のマナー、ベストのマナーじゃないかと思います。

同じようにビジネスの中でも、例えばタクシーに乗る場合の座順。上席というのは運転手さんの真後ろ、これが安全性という意味で常識とされています。しかし、自分の上役が「先に僕が降りるから、君奥に入ってくれよ」と、おっしゃった。自分が上席に座ってしまってもいいのかなと思っても、「じゃ、失礼します」と言って運転手さんの後ろに座れば、もうそれで良いマナーなわけですね。この上司は「じゃ、お先に」と言って途中のスムースに降りることができるのです。ところが、あまりにも正しいマナーというのに拘っている人が、「いえいえ、マニュアルではそうなっていませんので、どうぞ先に乗ってください」。上役は「いや、僕は先に降りるから、あとから乗りたいんだ」となると、ゴチャゴチャしますね。これは正しいというマナーかもしれないけれども、ベストではないわけですね。

または、エレベーターの乗り降りでも、エレベーター自体にいろんなタイプのものがありますし、混んでいる場合もあります。要するに、エレベーターにご案内するときに、その人があまり危険でなくて、そして速やかに動ければ、それでいいわけなんです。マナーブックなどには、先に乗って押すとか、あとから降りてとか、いろいろ書いてありますが、その状況の中でお客さまを誘導するわけですから、一番危険がなくてスムースにできる方法であれば、私はそれがベストだと思っています。

このように、マニュアルどおりでなくても、そのときの状況で、「今、一番何がいいのか」ということを自分で判断する。それは、日ごろから考えているからできる、そういうマナーがベストじゃないかなと思います。

黒船来航、当時の日本の高官はペリーを相手にスープ一気飲み!でもかえってそれが効を奏した。マナーをただ知っているだけじゃ、やっぱりダメなんですね。実際に臨機応変に使わなければ意味がないと、近藤先生おっしゃってます。

ちなみに今日お話の中に出てきた、タクシーに乗る場合、正しいマナーそして乗り方をおさらいしておきましょう。まずタクシーの上座は運転席のすぐ後ろになるんですね。そして下座は運転手の隣ということです。取引先と一緒に乗車する場合は、まず後部座席を取引先に勧める。乗り物の順番についてはお客さまや上司によって好みがあると思いますから、状況に応じて対応することが大切である、ということ。

次にエレベーターの場合です。エレベーターには席があるわけではないんですが、ビジネスマナー上、上座はボタンがある側の奥になるそうです。そして操作ボタンの前には一番下の人、つまり新入社員の方がつくということですね。偉そうな人が入ってきたら「何階ですか」って聞いてあげるのも、マナーというよりエチケットかもしれないですね。また、取引先の方を案内しているときに、エレベーターに一緒に乗る場合も、もしボタンを操作する人がすでに乗っている場合は、お客さんや上司に先に乗ってもらいます。ただし、だれも乗っていない場合は、まず自分が先に乗って「開」のボタンを押して安全を確認してから乗ってもらうようにすると、「うむむ!こいつなかなかやるなあ」と思われるかもしれません。いずれにせよ、臨機応変に対応していくのが大切なことのようです。

タクシーの上座は運転席のすぐ後ろって知らなかったですねえ。どだい上座っていうのが日本家屋から、いわゆる床の間が消えてどこが上座なんだかわかんない状態に、なっていますもんね。舞台上ですと客席から見て向かって右側が「上手」側、上座になるわけです。以前、芝居の台本のト書きに「上手側から出て、下手側に去る」というのがありました。「上手」というのは、「じょうず」って読めるじゃないですか、漢字表記してあると。僕、「じょうずに出て、へたに去る」って書いてあるのかなと思って、なんかボケたことがありますけどもね。

ビジネスマナー、エチケット、なかなか難しいところがあります。EARTH NOW今週は「今さら聞けないビジネスマナー」をお送りしています。今日、水曜日は「正しいマナーと良いマナー」についてお話をうかがいました。明日、木曜日は「サービスにおける真実の瞬間」というテーマでお送りします。

(出典:J-WAVE『Jam the WORLD』2002年4月3日放送分)

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