企業・行政・病院の教育研修をサポートします

読売新聞 2003年12月04日夕刊『同僚とは社外で和む』

気の合った会社の同僚同士などで、社外に「居場所」を作ろうという動きが徐々に広がっている。リストラや新しい評価制度の導入などで、社内によりどころがなくなった、冷たくなったと感じた女性たちには、同じ職場で働いている<共同体意識>を持ちたいとの思いがあるようだ。(鳥越恭)

京子さん(仮名、41)が勤める東京都内のコンサルティング会社では、1年ほど前からちょっと変わった現象がはやるようになった。仲間同士の飲み会にそれぞれ名前を付けるのだ。ワイン好きの女性たちが集まった「ビストロの会」、同期入社の「スマイルの会」、かつて同じ仕事を手がけた「同士の会」…。京子さんが入っているのは、「東西線の会」。同じ地下鉄の沿線に住む十数人の同僚の会で、2ヶ月に1度の割合で集まって食事をする。

「健康のために、休みの日にウォーキングを始めたの」「自宅で息子がTシャツ1枚で暖房をガンガン利かせちゃって困ってる」家庭や趣味のことなどたわいのない話が中心で、仕事の話はなるべくしないのが暗黙の了解だという。「リストラや経費カットなど厳しい状況の中で、お互いの苦しい気持ちは言わなくてもわかっているから、あえて会社の話はしない」と京子さん。

さらに、会に名前を付けることについては、「数年前に仕事の成果によって給与が決まる年俸制度が導入されてから、社内が冷たいというか自分のことだけ考える人が増えて、帰属意識がなくなった。名前を付けることで同じ共同体の一員という意識が強まる」と説明する。

頼子さん(同、44)が勤務する東海地区の情報通信会社では、不況の影響でレクリエーション旅行などの社内行事が中止されたほか、茶華道部などのサークルも最近続々と廃止となった。「社内に交流の場がなくなり、仲間意識が薄くなっている」と感じる頼子さんは、仲のいい者同士で声をかけて旅行するなど工夫している。

大手企業などの社員教育を請け負う「近藤教育企画」の近藤成子さんは、「リストラのターゲットになりやすい30代後半以上の女性を中心に、会社が自分を守ってくれない、<居場所>がないと思ってしまう傾向があるようです」と指摘する。この状況は、会社が「空洞化」し、ミスやトラブルにつながる危険性もあるという。今の経済情勢ではリストラや新しい人事制度は避けられないが、「社員の人間関係までゆがめるものでなく、人材を大切にする制度にすることが必要」と強調する。

日本労働研究機構(現労働政策研究・研修機構)が今年実施した調査によると、いわゆる「成果主義」的な賃金体系について、正社員の六割が「賛成だが不安」な感情を抱えていた。その主な理由は「上司や管理者が正しく評価するか分からない」「仕事によっては能力は発揮しにくい」など。

ただ、近藤さんは「外に逃げても本質的な解決にはならない」と、次のようなアドバイスをする。社員自身は(1)自分のキャリアを磨いてくれる上司を味方にする(2)「字が達者」「クレーム処理がうまい」といった得意分野を生かす(3)成績評価の制度を逆利用し、自分にプラスになる目標設定を働きかける―といった努力も大切だ。

写真:社員のやる気向上や職場での「居場所」を見つけるための研修会も増えている(東京都内で)

(出典:『読売新聞』2003年12月04日)

出版物案内

お気軽にご相談・お問い合わせ下さい。 TEL 044-854-7175 受付時間 9:30〜17:30

メールでお問い合わせはこちら

出版物案内

  • お問い合わせ
Copyright © 株式会社 近藤教育企画 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.