企業・行政・病院の教育研修をサポートします

月刊OLマニュアル2002年12月号『「君がいないと困る!」と言われる人はここが違う!』

「君がいないと困る」といわれる人

「君がいないと困る」。この言葉は、それをいう上司のタイプによって、その意味合いが大きく違ってきます。私が考える理想の上司とは、より高いレベルの仕事に挑戦しようとした時に、「頑張ってやりなさい」と応援してくれる人です。このタイプの上司が、部下に「君がいないと困る」という時には、そこに「君に一目置いている。君の力が必要だ」という意味が含まれています。

一方、「そこまでやらなくてもいいよ」と部下の成長にストップをかける上司もいます。このタイプの上司の「君がいないと困る」は、「自分にとって都合のいい便利な人間だから、いてくれないと困る」という意味なのです。たとえ、あなたの上司が後者のタイプであったとしても、「今の上司はこういっているけれど、本当は違うと思う。でも、今はそこを曲げて仕事をしているのだ」と意識して仕事をするようにすれば、成長を阻まれることはありません。

特定の上司に必要とされる人になることを目指すのではなく、世の中のあらゆる「理想の上司」に一目置かれ、必要とされる人材になることを目指しましょう。それには、どういったことを心がければよいのか、そのポイントを次に紹介していきます。

「君がいないと困る」といわれる人

「君がいないと困る」。この言葉は、それをいう上司のタイプによって、その意味合いが大きく違ってきます。私が考える理想の上司とは、より高いレベルの仕事に挑戦しようとした時に、「頑張ってやりなさい」と応援してくれる人です。このタイプの上司が、部下に「君がいないと困る」という時には、そこに「君に一目置いている。君の力が必要だ」という意味が含まれています。

一方、「そこまでやらなくてもいいよ」と部下の成長にストップをかける上司もいます。このタイプの上司の「君がいないと困る」は、「自分にとって都合のいい便利な人間だから、いてくれないと困る」という意味なのです。たとえ、あなたの上司が後者のタイプであったとしても、「今の上司はこういっているけれど、本当は違うと思う。でも、今はそこを曲げて仕事をしているのだ」と意識して仕事をするようにすれば、成長を阻まれることはありません。

特定の上司に必要とされる人になることを目指すのではなく、世の中のあらゆる「理想の上司」に一目置かれ、必要とされる人材になることを目指しましょう。それには、どういったことを心がければよいのか、そのポイントを次に紹介していきます。

1.社会性に優れ、自立した人間であること
「君がいないと困る」といわれ、上司に一目置かれる存在になるには、部下としてよりも以前に、まず一人の人間として力を認めてもらうことです。そのためには、言葉使いをはじめとする基本的なビジネスマナーを身につけていること、そして、自分なりの価値観をしっかりもち、社会性に優れ、自立した人間であることが大前提です。仕事が完璧にこなせればそれでいい、というものではありません。信念をもちながらも、相手の考えに合わせた仕事ができる。仕事でわからないことがあったら素直に教えを請う。そういったことがきちんとできるのが、社会性に優れ、自立した人間である、ということなのです。
2.プロ意識をもっていること
常日頃からプロ意識をもって仕事をしているという人は少なくないと思います。しかし、プロ意識を本当にもっているかどうかは、何かトラブルが起こった時、思いもかけぬ問題が発生して、その状況判断が難しい時にこそ明らかになります。 プロ意識をもつということは、つまり経営者感覚を持って仕事をしているかどうかということ。自分が経営者であれば、どんな問題でも何とか解決しようと必死になるはずです。「もうダメだ」と、問題を途中で投げ出してしまうようでは、プロとして失格です。クレームの処理でも、事務上のトラブルでもなんでも構いません。必死に問題に取り組むあなたを見て、上司に「こんな高いレベルのことまでやってくれているのか」と思わせることを目指しましょう。上司の「期待通り」の働きではなく、「期待以上」の働きをすることが、上司に一目置かれる存在になるためのポイントです。
3.仕事に得意分野があること
私がまだ会社に勤めていた頃、それまで誰も手をつけていなかった、女性社員の社内教育をシステム化する仕事を任されたことがありました。女性社員の教育システムを作るのですから、女性社員に協力を請う必要があります。しかし、さまざまなタイプの女性を取りまとめることに対して、男性は苦手意識をもっていました。そこで、以前ある女性だけのプロジェクトを成功させた経験のある私に白羽の矢が立ったのです。
仕事において何か専門分野や得意分野がある人、特に、上司が不得意とする分野において専門知識があったり、得意分野であったりする人は、一目置かれ、必要とされます。この場合、それまで男性の上司が苦手意識をもち、なかなか成し得なかった「女性社員教育」という仕事を成功させる力が、私にはありました。その能力が認められた時、私は一目置かれ、会社で必要とされる人間になったのです。
4.論理的に物事を考えられること
一般的に、女性は論理的思考が苦手で、感情的だとよくいわれます。実際は、男性にも感情的な人はたくさんいるのですが、「女性=感情的」という固定観念にとらわれた人は案外多いものです。そこでそれを逆手にとって、論理的に物事を考え、話を展開することができれば、「この女性はデキる」と一目置かせることができます。論理といっても難しく考える必要はありません。何か述べたい結論があるときに、データ(事実)と論拠(意見の拠り所)を用意し、話を展開すればよいのです。
たとえば、「有休を取りたい」という結論をいいたい時、「あの子は有休を取ったのに、私は休めないなんて不公平だ」という話の持って行き方では、感情的といわれても仕方がありません。こういう場合は、「最近、私はお休みをいただいていません。そのせいか少々疲れています」と事実を述べ、「疲れがたまっていては、仕事に影響が出てしまいます。少し体を休ませたいのですが」と結論に至る論拠を述べます。そして、「有休をいただけませんでしょうか」と結論につなげればよいのです。
今、世の中は「ロジカル・ブーム」。書店にはその関係の本がたくさん並んでいますから、少し勉強してみてもよいのではないでしょうか。
5.会社の責任体系を理解していること
会社には、責任のヒエラルキーが存在します。部下のミスは部下だけの責任ではありません。管理職である上司の責任でもあるのです。上司が苦手だからといって、大事なことを報告しなかったり、指示を仰がずに勝手な判断で仕事を進めたり、ミスをもみ消したりする人は、この責任体系を理解していない人です。どんなに性格的に合わない嫌な上司であろうと、責任体系を理解し、会社の目標や課題をつねに心に留め、業績に貢献しようという気持ちを持っていれば、「報・連・相」は徹底できるはず。そして、それができる人が職場で必要とされる人なのです。
6.言葉の真意をくみ取れること
昔、私の後輩に、仕事でミスをして「君はいわれたことだけやっていればいいんだよ!」と上司に怒られ、それを文字通り受け取って、上司が書いた原稿の明らかなミスすら訂正せず、印刷に回してしまった人がいました。しかし、この場合の「いわれたことだけやればいい」の言葉の真意は、「ミスをするな」ということです。この真意をくみ取ることができない、あるいはくみ取ることができても実行しない人では、必要とされる人になることはできません。「必要とされる人」とは、相手の気持ちを察し、言葉の真意をくみ取れる、一種のコミュニケーション能力に優れた人でなければならないのです。

「必要とされない人」とは?

職場で「必要な人間」とみなされているのか、「いてもいなくても一緒」と思われているのか、自分自身で判断するのは案外難しいものです。自分がどちらなのかわからない人は、次の二つを判断基準にしてみてください。

  • 重要な打ち合わせに呼ばれない
  • 上司に相談を持ちかけられない

新入社員や社歴の浅い人は、これからまだまだ力をつけることができますから、あまり気にしなくてもよいでしょう。しかし、そこそこベテランといわれる人で、この2項目のどちらにも当てはまってしまうようであれば、仕事のやり方を考え直したほうがよいかもしれません。

ちなみに、私の経験上、「いてもいなくても一緒」と思うのは次のような人です。

1.自分の力を出し惜しみする人
経験も専門知識もあり、全体の流れを見極める力もある。十分能力があるくせに、何か新しい仕事を任せようとすると、「私はもう手一杯です。できません」と主張する。これでは、「必要のない人」といわれてしまっても仕方がありません。このタイプの人は、ミスをするのが怖いか、忙しくなるのが嫌か、そのどちらかでしょう。もし、ミスを恐れているのであれば、まだ救いがあります。ミスは余程大きなものでない限り、必ずフォローすることができます。たとえ、自分自身でフォローできなくても、上司や先輩が必ず助けてくれます。最初から完璧な人間などどこにもいません。思い切って全力で挑戦してみましょう。 忙しくなるのが嫌だから、という理由で力を出し惜しみする人は、上司に対して、「これ以上成長したくない」という意思表示をしていることになります。2、3年後に、後輩たちがあなたと同じ仕事、いやそれ以上のレベルの仕事をしているのを目にしたとしても、何も文句はいえないのです。本当にそれでよいのでしょうか?今一度、自分自身に問いかけてみて下さい。
2.時間的余裕がないのに何でも引き受けてしまう人
忙しくて時間に余裕がないのに仕事を引き受けてしまい、結局締め切りを過ぎてしまって、周りに迷惑をかける。これを繰り返していると、そのうち上司も仕事を任せられなくなり、「必要のない人」になってしまいます。 たとえば、上司に「お客様にお茶を出して」といわれたとします。ほかの仕事で忙しかったけれども、「はい」と答えてしまった。そうしたら、どんなことがあっても、お客様がいらっしゃる間に、お茶をお出ししなければなりません。それを、ほかの仕事と並行しながら用意しているうちに、結局お客様がお帰りになってしまったとしたら、たとえ一生懸命やったとしても全く意味がないわけです。 やる気があるのはよいことですが、自分の許容範囲や、仕事の優先順位を知ることも大切です。今やっている仕事が急ぎの仕事で、どうしても手が離せないのであれば、はっきり「大変申し訳ないのですが、今は手が離せません。ほかの人にお願いできませんでしょうか」というか、「お茶を準備しますので、今やっている仕事をほかの人に任せてもよいでしょうか」というべきです。そのほうが、上司としても仕事を任せやすいものです。
3.日常業務を確実にこなせない人
新しいことにチャレンジしようという気持ちも大切ですが、日常の業務を確実にこなすことも大切です。上司が「彼女はここまでできる」と一度認めたレベルをキープできない人、また、仕事に対する緊張感を保てない人は、上司の信頼をなくし「必要のない人」になってしまいます。たとえば、ベテランになり仕事に慣れてくるにつれ、手を抜くところを覚えてしまい、仕事中頻繁に雑談をしたり、サボったりする人がいますが、これは仕事に対する緊張感が失われてしまった証拠にほかなりません。こうした習慣は周りに悪影響を与えますし、上司も一度達したレベルをキープできない人には、新しい仕事を任せようとは思わないでしょう。

やるべきことを確実にやる。仕事のレベルをキープする。どちらも、案外難しいものです。改めて心がけてみてはいかがでしょうか。

「必要とされる人」になるために

私は新入社員の頃、「ミス近藤」といわれるほどミスが多く、いつも失敗ばかりして、何一つ満足にできない社員でした。しかし、「全力で仕事をするなんて格好悪い」という職場の雰囲気の中で、私は決して努力を怠りませんでした。メモを取る、ノートを作る、帰宅してからもそろばんやお茶の入れ方まで、一生懸命こつこつと練習していました。その結果はすぐには出ませんでした。しかし、後輩ができた時、できない仕事をできるようにしてきた自分自身の経験を活かし、仕事をマスターする具体的なやり方を、後輩たちに教えることができたのです。

この仕事はコツをひとつ教えてあげれば大丈夫だとか、この仕事は何回失敗してもいいから、実感的に覚えさせなければダメだとか、すべて自分が体験してきたことでしたから、教え方は上手だったと思います。また、人に教えることで、さらに自分に力がついていくのがわかりました。そのうち、後輩を指導し、取りまとめて上司に報告するという役目を任されるようになりました。ここではじめて私は職場に「必要とされる人」になったのです。

最初から「君がいないと困る」とはなかなか思ってもらえないものです。上司に、ひいては会社に「必要な人」と思われるためには、最初にお話したポイントを心がけながら、何事にも手を抜かないで一生懸命取り組むこと。それしか方法はありません。コピーを一枚とるのも、お茶を一杯出すのも、すべてがあなたの実績になります。くだらない仕事など何一つありません。自分の仕事の価値を認め、自分を成長させたいという気持ちを失わず、上司に一目置かれる社員を目指して頑張ってください。

(出典:近藤成子「君がいないと困る!と言われる人はここが違う!」『月刊OLマニュアル』2002年12月号、研修出版、2002年)

出版物案内

お気軽にご相談・お問い合わせ下さい。 TEL 044-854-7175 受付時間 9:30〜17:30

メールでお問い合わせはこちら

出版物案内

  • お問い合わせ
Copyright © 株式会社 近藤教育企画 All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.